2024年度基幹ゼミ第2回の議事録です。
日時:2024年4月16日(火)14:50-16:20
会場:DW704
参加者:12名 髙橋、川瀬班(4名)、鈴木班(3名)、三澤班(4名)
欠席者:1名
1 連絡事項
(1)5月11日のトークイベントについて
(2)業務連絡用の掲示板について
2 前回の発表に対する質疑応答
質問1:母子家庭・父子家庭で賃金以外の格差は何かあるのか。
回答1:生活保護や児童手当の手厚さが異なる。
質問2:ひとり親になる主な3つの経緯とは何か。
回答2:死別、離婚、非婚。
質問3:学歴が低いほど離婚しやすいのはなぜか。
回答3:2003年のデータに有意な関連があったことが示されているが、それに対する解釈は述べられていない。
質問4:子づれシングルの女性への支援制度にはどのようなものがあるか。
回答4:児童扶養手当。
3 グループ発表
(1)鈴木班
・発表者:大森
・課題本:『ケアと家族愛を問う――日本・中国・デンマークの国際比較』
・発表範囲:第2章「デンマークで子育てにかかわるのは誰か」
[概要]
デンマーク社会は、「ファミリー・フレンドリーな政策」が実施されているため仕事と育児を両立しやすいとされているが、仕事を続けることがライフコースに組み込まれている社会のため、仕事への責任を負いながらパートナーと協力し、子育てしていく必要がある。
〈質疑応答〉
質問1:「ファミリー・フレンドリーな政策」は主に何があるのか。
回答1:育休制度やコムネームといった制度がある。一歳までは両親と過ごして、それ以降はコムネームに任せて親は社会復帰をする。
質問2:国民に就業を継続することを求めているデンマークにはどのような政策があるのか。
回答2:労働市場に戻ってからも仕事と育児を両立させるために「ファミリー・フレンドリー」がある。
(2)三澤班
・発表者:山口
・課題本:『問いからはじめる家族社会学――多様化する家族の包摂に向けて』
・発表範囲:第3章「家族・貧困・福祉」、第4章「結婚」
[概要]
世界や日本では貧困が大きな社会問題としてとらえられているが、貧困は福祉システムの問題や労働状況に影響を受けることによって引き起こされる。特に家族形態によって貧困状態に陥るリスクが異なる。
時代によって結婚の制度や機能はかたちを変えてきた。一方で未婚化や離婚率の上昇など新たな変化や問題が生じている。このことは結婚の衰退を示唆しているというよりも、現代社会の変化に応じた適応だと捉えることができる。
〈質疑応答〉
質問1:福祉レジームの3つの中で社会民主主義レジームは北欧が多いと説明があったが、他2つはどこが多いのか。
回答1:自由主義レジームはアメリカ、保守主義レジームはドイツ・イタリアである。
質問2:結婚相手と出会う機会の減少に対応する制度はあるのか。
回答2:本に記載なし。
質問3:離婚率は現在どうなっているのか。
回答3:本に載っている資料は2000年まででわからない。
〈先生の補足〉
出会いの減少に対する対策として、制度にはなっていないが婚活アプリなどが挙げられるのではないか。
(3)川瀬班
・発表者:永田
・課題本:『子づれシングルの社会学――貧困・被差別・生きづらさ』
・発表範囲:第1章「日本における女性の貧困」
[概要]
貧困に対しての関心が高まったことから社会問題として認識され、ひとり親世帯の現状も注目されるようになった。特にひとり親世帯の大半を占めるのは母子世帯は、ジェンダー・ギャップを背景に貧困に陥りやすい。男性稼ぎ主モデルの見直しや公的支援の充実が求められる。
〈質疑応答〉
質問1:離婚した女性が、学歴が低い人より高い人のほうが元夫からの養育費がもらえる割合が高いのはなぜか。
回答1:同類婚が多く、正規職に就けずに非正規職だと貧困基準を超えることが難しいため。
質問2:女性の高学歴化が進む中で離婚率は減少しているのか。
回答2:2016年の調査で短大・大学卒業者が約50パーセントしか正規職に就いていないため、高学歴と貧困は結び付かない。
質問3:再生産のリスクが高まるということについて詳しく説明してほしい。
回答3:子連れシングル女性が中卒高卒の場合、子どもに期待する最終学歴が短大・大学卒を求める場合が少なく、反対に学歴が高い女性が求める最終学歴は短大・大学卒が多く、学歴の高低が連鎖しやすい。
4 まとめ
前回の課題であった発表の時間厳守がうまくおこなわれ、わかりやすく発表していた。
作成:梅岡
編集:三澤